コラム設計施工ゼネコンのBIM導入ロードマップ

BIMの導入〜選定

BIM元年と言われる2010年以降、建築業界が続々とBIMを導入する中、弊社が導入したのは2019年の末。圧倒的な後発組としてBIMを学び始めました。


導入に至るまで、様々なハードルをクリアする必要がありました。特に建設会社になぜBIMが必要なのか、BIMの有効性を理解してもらうことに時間がかかりました。ある程度導入の道筋を作るため、どんなソフトがあるか、どのような機能があるか、比較検証を行いました。ソフトの選定に際して最も大切にしたことは、業務の川上に使いやすいかどうかという点です。これは川上で利用されていけば業務の流れに乗るだろうという考えからでした。

導入初期の展開状況

2020年に設計室にArchicadを導入しました。「なんとか拡大していきたい」という思いから、徹底的に社内に有効性を示すために様々なコンペに参画し『仕事をとるBIM』を意識し、社内認知を広げていきました。2021年にはBIM推進室ができ、企画設計での利用を開始し、お客様に対する設計・営業のコミュニケーションツールとして活用していきました。

現在の展開状況

現在は計画モデル、概算モデル、基本BIMモデル、施工計画検討用モデルの全物件作成を基本とし、主要な部署で活用が始まった状況です。弊社の概算は、多くの実績からある程度の項目を歩掛りで算出することが可能です。そこで、概算業務の中で手のかかっている部分のみをBIMモデルから抜き出し数量を算出することで、更なる業務の効率化を図っています。今後は概算モデルを活用し半自動化を目標としています。

全てを可能とするが故のジレンマ

BIMは多くのことが可能です。多くのことが可能だからこそ、やるべきことを絞る必要があります。何故なら、BIMを扱える人材が多くないからです。社内の教育体制も必要でしょう。BIMを推進し始めると様々な人から、「これはできないか?」「これができると聞いたがなぜ行わないのか?」と様々な要望が出てきます。全てのことに手を出していては、何もかもが中途半端になります。常に新しいことへの挑戦を続け、会社にとって何が今必要なのかを判断しなければいけません。

今後の展望

BIMの楽しさとはどんな所だろうと最近よく考えます。私は設計事務所で働いていたので、図面を書く生産性が上がったり、お客様に喜んでもらえたり、パースや動画などコンペに活用したり、色々なことに使ってきました。そんな中で今思い返すと、私にとってBIMは最も大事なコミュニケーションツールだったと思います。昔も今も、ものづくりをする仕事でコミュニケーションが必要ない仕事はありません。私たちは建設・不動産業に関わる建物を介するコミュニケーションの新しい形を模索し続けます。

執筆者:上村建設(株)上村 祐輝