コラムBIM用PCスペックについて①

2023.03.01

BIMを活用するためには、ソフトとともにハード選びも重要です。上を見ればキリが無いのですが、必要十分なものを検討できるよう、このコラムにて使用ハードとBIMとそれに連携するソフト利用についての紹介を行わせていただきます。
また、本コラムは動作を保証するものではありませんが、メーカー推奨環境とあわせてご参考願います。

建物用途:博物館、面積約9,000㎡

チーム構成・・・本社設計スタッフ+海外サポートチーム
 ・意匠主担当自らが基本設計から実施設計までRevitを入力、編集
 ・Rhinoceros + Grasshopper により建物形状をモデリング
 ・複雑な立体形状をBIMにて建築、構造、設備を検証
 ・VectorworksプラグインのSYMTREDを用いて、来館者動線の群衆シミュレーションを
  行っている

使用ソフト 
 BIM:Revit、モデリング検討:Rhinoceros+ Grasshopper、レンダリング:Lumion

設計者使用PC 
 Thinkpad P1、CPU:core i7(H) 、GPU:QudroT1000、メモリ:32G、
 ストレージ:SSD512G
 レンダリングは外付けGPU-BOX:ThunderBolt3接続、Geforse RTX3070等を使用

建築、構造、設備を統合して検証
群衆シミュレーション

建物用途:病院、面積約15,000㎡

チーム構成・・・本社設計スタッフ
 ・設計総括責任者もRevitを使用し、平面チェック、外観ビューを確認、若手スタッフが
  基本設計から実施設計までRevitを入力、編集
 ・RevitからSTABROへ部屋の情報を出力し、空調負荷計算を行い変更もリアルタイムに反映
 ・モデルに設備機器プロットを行い、意匠図との整合、集計の自動化を行う
 ・RevitからEnscapeにてVRを作成し、施主プレゼンだけでなく、機械室、機械置場の機器
  スペース、メンテナンス動線を検証

使用ソフト 
 BIM: Revit、レンダリング:Lumion、VR:Enscape、熱負荷計算:STABRO

設計総括責任者使用PC
 HP ProBook(1Kg程度のモバイルPC)、CPU:Ryzen5 5600U 、GPU:CPU内臓、
 メモリ:16G、ストレージ:SSD512G

設計者使用PC
 Thinkpad P1、CPU:core i7(H) 、GPU:QudroT1000、メモリ:32G、
 ストレージ:SSD512G
 レンダリングは外付けGPU-BOX:ThunderBolt3接続、Geforse RTX3070等を使用

STABLOを活用した意匠・設備フロー
RevitからワンクリックでVRを起動


※上記ThinkpadP1で、Revitと同時にLumion、AutoCAD、Rhino、Adobe製品を同時に起動
 しても使用に差し支えありませんでした。
 また、HP ProBookでも、450MくらいのRevitデータであれば3Dでストレスなく動いてい
 ます。ただし、メモリは16G必要で、プロジェクトファイルはローカルストレージには
 置かないことにしても、Autodesk、Adobe、Microsoft等のソフトウェアのインストール
 を考慮すると256Gでは足りず、512Gあったほうが良いと思います。

執筆者:(株)久米設計 早瀬幸彦