glossary用語集

BIMで使用されている専門用語などをまとめて掲載しています。

「あ行」からはじまる用語

アルゴリズミックデザイン(Algorithmic design)
アルゴリズム(特定の問題を解いたり、課題を解決するための計算手順や処理手順)によって、形状や仕組みを生成するデザイン手法。
維持管理・運用BIM
維持管理・運用段階で活用することを前提に作成されたBIM データのこと。データの形式や情報量については、維持管理・運用段階での活用方法に応じ定められるが、主に維持管理ソフトや不動産管理ソフトなどのデータベースにデータを受け渡して(または連携して)用いることを想定したBIM データをいう。

[参考]建築BIM推進会議:成果物等(ガイドライン・BIMの活用状況調査等)> ガイドラインについて

オブジェクト
空間に配置された、物、目標物及び対象の実体を、属性(プロパティ)と操作(メソッド)の集合としてモデル化し、コンピューター上に再現したものをいう。

「か行」からはじまる用語

仮想竣工/バーチャル竣工
施工段階において建築主とBIMモデルを共有し、建物運用や維持管理の視点から、建物仕様の最終決定に建築主やビル管理会社が参加する取り組み。
干渉チェック/クラッシュディテクション(Crash detection)
柱、梁、天井、ダクト、配管等の建築物を構成する部材等の重なり(干渉)を確認すること。
BIMモデルを作成しない場合の設計業務および工事においても行われているものであり、工事段階で行われる干渉チェックは文字通り建物部材が干渉することなく施工できることの確認であるのに対して、具体的な製造所等が確定していない設計段階の干渉チェックは、建物部材が納まる見込みであることの確認となる。

[参考]国土交通省:官庁営繕事業におけるBIM モデルの作成及び利用に関するガイドライン

空間オブジェクト/空間要素
床、壁、天井、仮想の区切り等に囲まれた3次元のオブジェクトのこと。ソフトウェアによっては、仮想の区切りの設定ができないものがあるが、このようなオブジェクトも含まれる。

[参考]国土交通省:官庁営繕事業におけるBIM モデルの作成及び利用に関するガイドライン

建築BIM推進会議
建築の設計・施工・維持管理に至る建築物の生産・維持管理プロセスで一貫してBIMを活用することにより、業務効率化や生産性向上を図り、最適な建物のライフサイクルの実現を目指すとともに、BIMや新技術がもたらす理想的な社会像を創造する取り組みを図るため、令和元年6月に国土交通省内に設置された学識経験者や関係団体からなる会議体。

「さ行」からはじまる用語

施工BIM
施工段階におけるBIMのこと。
設計BIM
設計段階におけるBIMのこと。

「た行」からはじまる用語

中間ファイル形式
異なるBIMソフトウェア間でデータをやりとりするために用いるファイル形式のこと。2次元CADでは国土交通省が開発したSXF(Scadec data eXchange Format)やオートデスク社のDXF(Drawing Exchange Format)等があり、BIMではIFCが用いられることが多い。
デジタルツイン(Digital twin)
現実の世界から収集したさまざまなデータをもとに、まるで双子(ツイン)であるかのように、コンピューター上で現実世界を再現する技術。IoTを活用してリアルタイムの情報も取り込むことで、限りなく現実に近い物理的なシミュレーション等が可能になる。
デジタルトランスフォーメーション(Digital transformation)
2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念で、「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という仮説。企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

[参考]経済産業省:「DX推進指標」とそのガイダンス

デジタルファブリケーション(Digital fabrication)
デジタルデータをもとに創造物を制作する技術のこと。3Dスキャナーや3D CAD等のデジタルデータを3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタル工作機械で読み込んで造形する。
デジタルモックアップ(Digital mock-up)
BIMを使用して、原寸大の模型を作成せずに、コンピューター上でデザインの検証や干渉チェックを行うこと。
点群/ポイントクラウド(Point cloud)
計測対象にレーザーを放射状に照射して得られる表面形状の3次元座標のこと。3Dスキャナー等で対象物をスキャンし点群データ化することで、既存の建築物の現況を把握することができる。
統合BIMモデル
意匠、構造、設備のそれぞれの分野で作成したモデルを統合し、それぞれの連携・検証等が行える状態のBIMモデル。

「は行」からはじまる用語

ビジュアルプログラミング言語/VPL(Visual Programming Language)
プログラムをテキストで記述するのではなく、図形やグラフィック要素等の直感的な視覚表現でプログラムを開発するプログラミング言語。
ファミリ/BIMパーツ
構造材、壁、屋根、窓、ドアや製図に使用する記号等を含む、BIMモデルを作成する際に使用する部品のこと。ソフトウェアによって「BIMパーツ」や「ライブラリ部品」「3Dシンボル」等さまざまな呼び方がされる場合がある。
フロントローディング(Front Loading)
業務プロセスや工程において前倒しで資源を投下し、さまざまな検討を行い早期に課題を発見し対処することで、後工程の負荷を軽減しつつ、品質を高めようとする方法。

[参考]建築BIM推進会議:成果物等(ガイドライン・BIMの活用状況調査等)> ガイドラインについて

「ま行」からはじまる用語

マスモデル
構想段階の設計を行う際に利用される、BIMソフトウェア内の形状モデルのこと。粘土やブロックで模型を作成するようにBIMソフトウェア上で形状作成を行い、ボリューム検討等に使用する。

「ら行」からはじまる用語

ライブラリ
BIMを利用する際に繰り返し利用する部材・製品等を、あらかじめ作成してライブラリとして共通に利用できる形式にしたもの。メーカーや業界団体から一般向けに公開されているものもある。

「数字・記号」からはじまる用語

4D/5Dシミュレーション
時間軸(4つ目の次元)やコスト軸(5つ目の次元)の概念を持つBIMモデルを活用し、工程毎の施工状態の可視化やコスト計算を行い、工期・コスト面から施工計画の最適化を図る手法。

「B」からはじまる用語

BEP(BIM Execution Plan)/BIM実行計画書
特定のプロジェクトにおいてBIMを活用するために必要な情報に関して、受注者(設計、工事、維持管理等)が提示する取り決め。
BIMを活用する目的、目標、実施事項とその優先度、詳細度と各段階の精度、情報共有・管理方法、業務体制、関係者の役割、システム要件等を定め文書化したもので、プロジェクトの関係者間で事前に協議し合意のうえ、要件書として発行する。

[参考]建築BIM推進会議:成果物等(ガイドライン・BIMの活用状況調査等)> ガイドラインについて

BIM(Building Information Modeling)
コンピューター上に作成した主に3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建築物の属性情報を併せ持つ建築物情報モデルを構築するもの。

[参考]建築BIM推進会議:成果物等(ガイドライン・BIMの活用状況調査等)> ガイドラインについて

BIMオリジナルファイル/ネイティブファイル
BIMソフトウェア固有の形式で保存したファイル。

[参考]国土交通省:官庁営繕事業におけるBIM モデルの作成及び利用に関するガイドライン

BIMガイドライン
プロジェクトを実施する上で、BIMモデルの作成要領や運用手順を定めた指針。
日本では、国土交通省の「官庁営繕事業におけるBIMモデルの作成及び利用に関するガイドライン」等がある。
BIMデータ
BIMモデルに加え、BIM上での2Dによる加筆も含めた全体の情報のこと。

[参考]建築BIM推進会議:成果物等(ガイドライン・BIMの活用状況調査等)> ガイドラインについて

BIMビューアー
BIMモデリングツールの無い環境でもBIMモデルを閲覧できるソフト。
編集機能はないが、BIMモデルの回転や拡大・縮小をすることができ、任意の切断面も見ることができる。

[参考]建築BIM推進会議:成果物等(ガイドライン・BIMの活用状況調査等)> ガイドラインについて

BIMマネージャー
プロジェクトや企業内において、BIMの活用をけん引する立場の人材。
BIMモデル
コンピューター上に作成した主に3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等の建築物の属性情報を併せ持つ建築物情報モデルのこと。

[参考]建築BIM推進会議:成果物等(ガイドライン・BIMの活用状況調査等)> ガイドラインについて

BIMモデル合意
BIMモデルを活用した合意形成プロセス。BIMモデル上で合意する内容を確認し、関係者間の調整を行うことで、打合せ用の図面作成等が省略できる。
BIMライブラリ技術研究組合(BLCJ)
BIMによる円滑な情報連携の実現のため、BIMオブジェクトを標準化し、その提供や蓄積を行うBIMライブラリを構築・運用するとともに、現在BIM導入を検討・開発中でその効果が大きい領域との連携を図ることにより、効率的な建築物のプロジェクト管理等の実用化に関する試験研究を実施することを目的に設立された団体。
buildingSMART International(bSI)/buildingSMART Japan(bSJ)
建築分野で使用するソフトウェアの相互運用を目的とした、IFCの仕様策定と活用・普及に向けた活動を行っている団体。世界に18の支部があり、buildingSMART Japan(旧IAI日本)は、1996年に設立されたその日本支部。

「C」からはじまる用語

CDE(Common Data Environment)/共通データ環境
建築生産ライフサイクルにおいて設計・施工・製造・運用・維持管理などの各段階の関係者が、設計・施工情報(2次元、3次元、その他関連情報)を共有し受け渡すための手続きや環境。情報共有やデータ交換を円滑化する約束事や手順、システム要件なども含まれる。

[参考]建築BIM推進会議:成果物等(ガイドライン・BIMの活用状況調査等)> ガイドラインについて

CFD(Computational Fluid Dynamic)/数値流体力学
コンピューターシミュレーションを用いて流体の挙動を予測する手法。BIMモデルを利用し、空気の流れや温度の分布状況の予測や可視化ができる。

「E」からはじまる用語

EIR(Employer’s Information Requirements)/BIM発注者情報要件
特定のプロジェクトにおいて、発注者として求める、BIMの運用目的、納品するデータの詳細度要求、プロジェクト実施中のデータ共有環境の要求など、受託者がBIMに関わる業務を実施するうえでの必要事項を示したもの。

[参考]建築BIM推進会議:成果物等(ガイドライン・BIMの活用状況調査等)> ガイドラインについて

「I」からはじまる用語

IFC(Industry Foundation Classes)
BuildingSMARTが策定する、異なるソフトウェア間でBIMモデルの設計情報を有効に相互運用することを目的としたオブジェクトのシステム的使用定義の標準。2013年にISO 16739:2013として国際標準規格となった。
IoT(Internet of Things)/モノのインターネット
従来インターネットに接続されていなかった、生活や産業を支えるさまざまなモノ(機械やセンサー等)がインターネットに接続され、情報交換を行うことによって相互に制御する仕組み。
IPD(Integrated Project Delivery)
設計者、エンジニア、施工者、発注者等、プロジェクトに関わる関係者が計画の初期段階から協力し、最適な建物を建設するという共有目的のもとで、最も有効な決定を共同で下すことを可能にする協業形態。

「L」からはじまる用語

LOD(Level of Development)/詳細度
BIMモデルの作成および活用の目的に応じたBIMモデルを構成するBIMの部品(オブジェクト)の形状および属性情報の詳細度合い。設計や施工のフェーズ毎に伝達すべき情報を定めることで、目的に見合った合理的な情報共有が可能となる。
BIMモデルの詳細度には、形状の詳細度(LOD:Level of Detail/LOG:Level of Geometry)と属性の詳細度(LOI:Level of Information)等もあり、それぞれ個別にレベル指定されることがある。

[参考]建築BIM推進会議:成果物等(ガイドライン・BIMの活用状況調査等)> ガイドラインについて

「O」からはじまる用語

OPEN BIM
IFC等の中間ファイル形式を使用して、異なるソフトウェア間でのデータ互換とBIM利用環境を構築する概念。IFCを中心とした円滑なデータ連携を基に、異なるソフトウェア利用者間でのワークフローを実現する協業スタイル。