コラムマロニエBIM設計コンペティション2021を終えて

2022.03.25

BIMをテーマにしたこのアイデアコンペは、学生やプロなどの制限なく参加できる企画として2015年にスタートしました。

もともと栃木県建築士事務所協会が発案し、運営してきた歩みが、2019年からは日本建築士事務所協会連合会との共催に広がっています。

制限時間内で作品を作りあげ、データで提出するというスタイルは変わりませんが、当初は選抜された応募者が宇都宮に集まって最終審査に臨むスタイルでした。

しかし、新型コロナウイルス感染症の影響下で行われた第6回と昨年2021年の第7回は審査員だけ本部に集合してオンライン審査を行う新機軸となり、全国各地から参加しやすくなりました。

第7回は福岡と熊本の2つの建築士事務所協会が運営を担当。そこに国土交通省の助成が加わり、栃木県建築士事務所協会が引き続きサポートしています。

最終審査の11月26日は熊本に本部を設けてのオンライン審査でしたが、福岡も熊本もBIMに先進的に取り組む土壌があるため、より一層盛り上がりを見せました。

対象敷地には、熊本地震で甚大な被害を受けた被災地である益城町を選んでおり、BIMを災害復興に始まる長期的なまちづくりに活かそうとの狙いをこめた出題です。

期待通り、提案は切れ味と社会意識が高いものが集結。BIMで生成されたデータが日常に定着し、BIM人材が育つ未来を予感させるコンペとなりました。

執筆者:(一社)日本建築士事務所協会連合会 理事
BIMと情報環境WG 主査
佐野吉彦(2022.3.20記)