1.Archicad版「営繕BIMモデル」の概要と目的
2025年9月19日、国土交通省は、官庁営繕事業におけるBIM活用の理解の促進および効率的な実施に資することを目的に作成された「営繕BIMモデル」のArchicad版を公開しました。
この営繕BIMモデルおよび営繕BIMテンプレートは、官庁営繕事業の設計業務において、発注者がBIM活用を指定する項目(指定項目)への対応を基本として、BIMデータの入力情報および設定内容の目安を示すことを目的としています。
Archicad版の営繕BIMモデルは、ある架空の建築物を対象に、指定項目および推奨項目(一部)に対応したBIMデータの例として作成されました。対象施設は、RC造 地上5階建て、延べ面積約3,300㎡の一般的な合同庁舎です。営繕BIMモデルの作成は、指定項目及び推奨項目(一部)の実施に必要となる範囲について行われています。
2.公開されたデータの種類と対応ソフトウェア
今回公開されたArchicad版のデータは、総合分野のBIMデータで構成されています。公開データファイルとして提供されている主な種類は以下の通りです。
営繕 BIM モデル
総合分野のデータファイル(ファイル名:営繕 BIM モデル_A.pla)。
営繕 BIM テンプレート
営繕 BIM モデルを作成した際のBIMデータの設定内容を保存したもの(ファイル名:営繕 BIM テンプレート_A.tpl)。
営繕 BIM モデル出力変換設定.xml
BIMデータからCAD形式(dxf形式)のファイルを出力する際の変換設定を保存したファイルです。これは、総合分野と設備分野で異なるBIMソフトウェアを使用する場合に、設備設計者にCAD形式のデータを出力するために用いる設定ファイルです。
これらのデータは、Graphisoft Archicad27を使用して作成されています。また、モデルとテンプレートの目的や設定内容、BIM活用の内容、詳細度表などを説明する「営繕 BIM モデル及び営繕 BIM テンプレート解説資料(Archicad 版)」も併せて公開されています。
3.既存Revit版との関係性およびデータの利用条件
国土交通省は、Archicad版の公開に先立ち、Autodesk社のRevit(Autodesk Revit2022)を用いて作成された営繕BIMモデルのデータを公開しています。Revit版のデータは2024年10月23日に公開されており、総合、構造、設備の3分野が対象でした。今回公開されたArchicad版の総合分野のBIM活用の内容は、Revit版の総合分野と同じです。
営繕BIMモデルは、官庁営繕事業の設計業務におけるBIMデータの入力情報及び設定内容の目安を参考として示すものであり、利用にあたってはいくつかの留意事項が示されています。
- 個別の設計業務においては、必ずしも本モデルに従う必要はなく、各設計業務の内容やBIM活用の内容等に応じて適切に必要な情報の入力等を行う必要があります。
- 営繕BIMモデルには推奨項目(一部)に対応するための情報が含まれているため、指定項目のみを実施する場合は、指定項目の実施に必要な範囲の情報の入力等を行えばよいとされています。
- 対象施設は架空のものであり、設計内容は建築基準法等に基づく審査を受けたものではありません。 等
他詳細は国土交通省HP参照
4.データの入手方法
Archicad版の「営繕BIMモデル」および関連データは、国土交通省のウェブサイトよりダウンロードが可能です。
 
■営繕BIMモデル
https://www.mlit.go.jp/gobuild/gobuild_tk6_000130.html
■「営繕BIMモデル」及び「営繕BIMテンプレート」のBIMデータ
https://www.mlit.go.jp/gobuild/gobuild_tk6_000132.html
